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Togean旅行その4

(前回からの続き)
さて、最後に宿のことについてもう一度書きたいと思う。今回の宿に誘ってくれたPedroは昔からこの宿と知り合いで、家族ぐるみの付き合いをしているらしい。その彼のおかげか、宿のスタッフはみんな我々家族にとても親切だった。Kadidiri島のような僻地のリゾートは、宿以外に回りに誰も住んでおらず、集落もないため、食事はすべて宿でとることになる。食事時間が決まっているので、例えば夕食は19時から、夕食になると宿泊者はみんな食堂に集まって一緒に同じメニューの食事をとる。テーブルも大きな長テーブルなので、食事中も隣席どうしで会話が弾む。宿と言うより合宿のような雰囲気だ。
 ところが、我が家は途中から宿のママさん(女主人、Pedroはこう呼んでいた)に招待されて、食事は宿の家族と一緒に取るようになった。食事をしながら、宿の経営や家族のことについていろいろ教えてくれた。宿は元々はママさんが20年くらい前に始めたらしいが、いまは娘のElis(フェリーで我々に営業をかけて来た若い娘)が仕切っているらしい。我々が泊まった時は、二人の息子も里帰りで戻っており、みんなで一緒に宿の手伝いをしていた。本島のAmpanaでも宿を経営しており、ほかにもSurabayaにも家があるが、子供たちは大体ここで育ったらしい。父親はもういないようだが、二人の息子はアメリカに留学して、長男はMBAを取って、次男は電気系の技術者。島の環境とのギャップに驚く。

 と言う感じで、家族経営のほのぼのとした宿なのだが、運営はあきれるほど大雑把だった。一例を挙げると、部屋の予約状況がまったく管理されていないこと。飛び込み客が来れば、予約状況は関係なく、いくらでも受け入れてしまうのだ。こんな僻地の宿に予約もなしで来る客がいるのかと思っていたら、これが結構来るのだ。ママさんとPedroと夕食をとっていたら、突然、明日10人くらいの日本人の団体客が来るんだけど、部屋が足りなくなって困っていると言い出した。飛び込み客を取りすぎたのが原因らしい。おまけに飛び込み客の一組が、本当なら今日チェックアウトする予定だったけど、気に入ったので延ばしたいと言って来て、断れなかったそうだ。それで当てにしていた部屋が一つなくなったらしい。アメリカ人の飛び込み客は従業員用の部屋に入ってもらったり色々努力をしたけど、もうだめだ。どうしようと言う。日本人の僕なら、日本人客の対応方法をなんとか考えだしてくれるのではないかと期待しているような感じだった。
 さらに、エージェントに部屋が足りないから相部屋でもいいかと尋ねたら、日本人はみんな社長なので絶対個室じゃないと駄目だと言って来たらしい。おまけにチャーターボートに乗るときにライフジャケットを着けるので、10人分用意しろと言われたが、うちには10 人分も用意してないよと言う話。
 はあ? そんな10人もの日本人社長が来るわけがない、エージェントは脅しをかけているだけだ。日本人なら正直に状況を話して謝れば、絶対許してくれるはずだと僕がアドバイスすると、Pedroがみんなで土下座しようと言い出した。(彼は土下座を知っているらしい)。いや土下座はいらないと僕。じゃあ、切腹はどうだと笑いながらPedro。さらに横から長男のAndreが、日本人用に特別にカニを調達したんだけど、これは効き目があるかと言い出す。もうみんな冗談だか本気だかわからなくなって来た。全然事態を深刻に考えていないようだ。僕も真面目に相手をするのが疲れて来たので、途中で切り上げた。

 翌日、昼過ぎに 僕がダイビングの講習の準備で桟橋にいたら、日本人団体客がチャーターボートでやって来た。みんなライフジャケットを着けていた。どこかで手配できたようだ。
 上陸してきた日本人たちは 若そうな人ばかりで社長には見えない。そのうちの一人に話しかけてみると、どうもLuwukで天然ガス関係のプロジェクトに従事している人たちらしい。部屋が足りなくて相部屋になることも既に知っているようで、だいぶ前から予約していたけど、やっぱりインドネシアですね、と意外とサバサバした感じだ。この人もインドネシアで苦労しているんだなあ。これなら大丈夫だろうとぼくもちょっと安心した。
 前日に大騒ぎしていたわりには、あっさりと解決してしまった。今回はうまく行ったけど、たぶんこうやっていつも何とかくぐり抜けて来たから、ちゃんと管理しようとしないんだろうなあ。予約管理をちゃんとして、飛び込み客は断ればいいのにと思ったが、こんなところまで来て、部屋がないから帰れと言うのもかわいそうだから言えないのかもしれない。別の日に、部屋が満室だったのか、食堂の端の休憩コーナーで宿泊した客もいた。こんな島に来るのはバックパッカー風のお客がほとんどなので、やっぱりこういう対応の方が向いているのかもしれない。
(おしまい)

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昼食の風景。左端がPedro、中央奥がママさん、右端がElis

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夕食の風景。右端が長男のAndre

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海に突き出た部屋もある。

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宿の前のビーチ

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宿の前で泳ぐ

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イカもいた

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Taipei島で泳ぐ

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名前の忘れたビーチ。非常に細かい砂。娘は友達がたくさんできた。

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みんなBat fishと呼んでいたけど、本当の名前は?

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宿の前をGorontalo行きのフェリーが通っていく。

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宿の前のハンモック

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最後はチェーターボートでBuntaに向かう。2時間半くらいかかった。子供たちは熟睡
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Togean旅行その3

(前回からの続き)
 さて、次の日の午後もテキスト講習だったが、まずまず順調に受講できた。3日目からはいよいよ実技講習に入った。普通はプールから始めるらしいが、ここにはそんなものはないのでいきなり海である。リゾートの目の前の海、3mくらいの浅い場所で行う。コテージの目の前からボンベを担いで海に入るのもなかなか面白い。実は、旅行の直前から風邪を引いていて、鼻が詰まっていたので耳抜きがうまくできない不安があったので、Jamesに実技は風邪が治ってからしたいと申し出たところ、耳抜きがうまくできなかったら、すぐ上がればいいので、調子が悪いと感じたらすぐ教えてほしい。体調に問題なければ、講習は大丈夫だとのこと。じゃあ、やってみるかと思ったが、どうもキリスト風のJamesに言われると、なんだかすぐに納得してしまう。
 実技も僕は問題なく進んだが、Natashyaがマスククリアで苦労していた。鼻からうまく吐き出せないようだ。咳き込んでいて苦しそうだ。水中でマスクを外すのに最初は不安があったけど、慣れれば難しいものではないことがわかった。吐き出した息の泡が鼻を直撃して気持ちがよくないが、ちょと首を傾けてみれば快適だ。30秒間マスクなしで呼吸をした後、マスクを付けて水を抜く。最初はどうやって水を抜くのかよくわからなかったが、ちょっと上を向きながら、マスクの下を顔から少し持ち上げて隙間を確保したまま、鼻から息をマスク内に吹き込めば、水が下のほうから押し出されてなくなると言う理屈である。シュノーケル中にマスクに水が入った時、いちいち水上に顔を出して水を出していたが、このやり方は水中でできるので便利である。
 浅い海での実技が終わったら、いよいよ、深い海での実技だ。僕が受けたオープンウォーターコースは4本のダイブが必須だ。ボートに乗って沖合のポイントに行く。ここから講習生が増えた。どうも僕たち以外のグループも平行して講習を受けていたみたいだ。メンバーは全員、フランス系のカップルで合計4名。Jamesといきなりフランス語で話し始めたので驚いたが、後で聞いたところJamesはフランス系カナダ人なので英仏両方できるようだ。僕とNatashyaはフランス語ができないので、講習は全部英語である。フランス人も普通に英語ができる。昔はフランス人は英語を話さないとよく言われたものだが、最近は様変わりだ。やはりグローバル化の影響だろうか。
 さて、講習の方だが、順調に進んだ。初めてのダイビングだったが、一番驚いたのは水中でも明るいこと。いつもシュノーケリングで水面から深いところを見ると、青黒く不気味な印象があったのだが、実際はちゃんと光が入っており、明るいのだ。次に驚いたのはやかましいこと。自分の呼吸のあぶくの音がやたらに大きく感じる。船が通ると大騒ぎである。その他、魚の動きが遅く感じたことも面白かった。スローモーションのような感じなのだ。すべてがゆったりと動いていて優雅なのだ。宇宙遊泳をしているような浮遊感。これは楽しい!ちょっと本気ではまりそうだ。
 二日かけて4本のダイブ講習が終わった。これで無事ライセンスがもらえると思っていたら、Jamesは最後に試験があるからねと言い出す。えっ?と思いながら、夕方の5時から試験を受けた。なんと50問の口頭試験である。結果は僕が一番悪く、7問の間違いだ。他の人はだいたい4、5問の間違いである。しかし心配はいらなかった。この試験は知識の確認をするのが目的で、間違えたことを再確認すれば良いとのこと。Jamesに答えを教えてもらうと、間違いの半分くらいは僕のヒアリング能力不足による聞き間違いだった。口頭試験なので、英語の質問の言い回しの理解と、さらに同時に答えを考えないといけない、それも口頭なのでスピードも要求される。だから、我ながら7問の間違いは上出来だと思った。
 最後にJamesがPADIのライセンス申請書にサインしてくれた。これをアメリカの本部に送れば3ヶ月後にライセンスが届くらしい。さて無事にライセンスはとれた。終わった後、講習生のみんなは次のダイビングの日程調整を始めた。コース受講者は1ダイブがサービスで付いてくるのだ。Toshiはどうする?とNatashyaに聞かれたけど、僕は家族をほったらかしにして受講していたから、これからは家族サービスだよ、だからやめておくと言った。それは大切よねとNatashya。
 まあ、家族の協力のおかげでライセンスがとれたのだからそれで十分だと思っていたら、家族から行ってくればという暖かいお言葉が。ということで、講習生のみんなとは別の日にJamesの案内でもう1本潜った。家族に感謝です。
(つづく)

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講習生と一緒に。僕の左隣がNatashya

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インストラクターのJames

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最後に二人で潜ったときの写真

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家族と一緒に記念撮影。右端の人もインストラクター。名前はすみません、忘れてしまった。

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みそ汁を食べる娘

Togean旅行その2

前回からの続きです。

 さて、無事に宿の移動が終わったので、いろいろ探検してみた。コテージは25棟あり、ほとんどが独立したタイプでプライバシーを保つには良い。リゾートは先端に小山のある半島のちょうど真ん中の平地に位置しており、風の通りがよい。さらに木造で涼しい。半島の表側はビーチだが、裏側は浜がなく、岸辺も深いので船着き場があり、ボートはこちら側に停泊している。船着き場のそばにダイビングセンターがある。表側のビーチには長い桟橋があり、先端から飛び込めば引き潮のときにもシュノーケリングが楽にできる。浜も広くて、ビーチバレーのコートもある。奥にはバトミントンのコートもある。などなど、こじんまりとしたリゾートだが、よく考えられて作られているのがよくわかった。やはりこっちに来て正解だと思った。

 今回は9日間の滞在なので、チャンスがあればダイビングの講習を受けてライセンスを取ろうと考えていた。実は妻はインドネシアにいるうちにダイビングを始めたいなあとよく言っていたのだが、僕は、あれはハイキングみたいなもので体力がいらないから、定年後の楽しみに取っておく、それまではシュノーケリングで十分、と宣言していたのだ。心変わりしたのは、今まで何度か行ったシュノーケリングでインドネシアの海の素晴らしさを知ったから。こんな素晴らしい環境にいるんだから、ダイビングを後回しにするのはもったいないなと感じたのだ。
 ただし、Togeanのような孤島のリゾートで果たしてちゃんとライセンスがとれるのかな、ちゃんとしたインストラクターはいるんだろうかという不安はあった。その点Black Marlinはオーナーが英国人のダイビングインストラクターなので、まあ大丈夫だろうと思っていた。しかし、Kadidiri Paradiseに変えてしまったので、どうなんだろう? 一応Pedroに事前に聞いてみたら、インストラクターのJamesは親切で信頼が置けるとのこと。僕が英語が心配なんだと躊躇したら
「Jamesはリゾートに来る非ネイティブの外国人にいつも教えているので、ゆっくりわかりやすく説明してくれるはずだよ。この前なんか英語が全然話せないイタリア人も無事にライセンスを取ったよ。そうだ、Jamesと話したらいいよ。」といきなり呼んで来た。
やって来たjamesは長髪でヒゲがぼうぼうの白人。なんだかキリストみたいな風貌だ。歳は30歳くらいか? ダイビングの講習を受けたいけど、ちょっと英語に自信がないと言うと、
「言葉は重要な問題じゃないよ。大丈夫。いざとなればPedroが通訳してくれるよ。」
はあ?Pedroの通訳?どうも彼は日本語が話せると、ここでは見られているようだ。彼は役に立たんと思うんだけどと思いながら、英語ができないイタリア人も教えたことがあると聞いたけど、と質問すると、
「ああ、あるよ。でもその時は一緒に受講した彼の友達が通訳をしてくれたから問題なかったよ」と言う。え?話が違いじゃないか。しかしJamesは
「そうだ、テキストを貸してあげるから、明日の昼までに最初の2章まで読んでみてよ。どうしても駄目だと思ったらやめればいいから。10歳の子供でも理解できるように書かれているから問題ないと思うよ」と話がどんどん進んでいく。
 しょうがないのでとりあえずテキストを読んで、受講するかどうかは明日決めることにした。
 しかし渡されたテキストは260ページもある分厚い本。もちろん英文。2章までで120ページもある。明日の昼までに全部読むのかあ。いっきにリゾート気分が吹っ飛んだ。その日の夜からさっそく勉強しようと思ったけど、移動の疲れのせいか、夜9時には子供と一緒に寝てしまった。翌朝、早く起きて読み始めたが、子供たちが起き始めると一人で勉強をすることもできず、結局、昼までに読んだのは三分の一くらい。ああー、こりゃあだめだ、今回は諦めるかなと思いながら、午後からの講習に参加した。
 講習参加者は僕以外にNatashya(ナターシャ)というギリシャ人の女性が一人いた。Jamesにぜんぜんテキストが読めなかったので今回は参加は諦めようと思うんだと言うと、
「量が多いから全部読むのは無理かも。講義では章末問題を中心に大事なポイントだけ説明するから、テキストは時間があるときに読んだらいいよ。じゃあ、さっそく始めよう」といきなり講習が始まった。なんだ最初からそういってくれればいいのに。
 講義は予想以上にスムーズに進んだ。Natashyaも僕も非英語圏ということで、Jamesはゆっくり丁寧な説明をしてくれる。僕らが理解できるまで何度も、言い回しを変えたりしながら繰り返してくれるので、ほとんどが理解できた。3時間の講習が終わる頃には、講習についていく自信ができていた。
(つづく)


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Kadidiri Paridiseの桟橋。ここを散歩すると気持ちがいい

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透明度は抜群

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さっそくシュノーケリングをする息子

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Pedroがくれたヤシの実を飲む息子。「なんだ甘くないや」が感想


Togean旅行その1

 ご無沙汰のブログです。8月は日本へ一時帰国してインドネシアに戻った10日後にレバラン休みが始まり、再び旅行に出かけるという非常に忙しい月だった。日本への一時帰国はいつものことなので、レバラン休みの旅行について書こうと思う。去年はFlores島縦断旅行で毎日の移動が子供たちに結構つらかったので、今年は滞在型の旅行を企画した。場所はSulawesi島(スラウェシ)のほぼ中央部にあるTogean諸島。Sulawesi島の北部のちょうどCの字型をした巨大な湾Tonomi湾の真ん中にある島だ。ここはきれいな珊瑚と透明度の高い海で有名な島で、特にシュノーケルには適しているらしい。Lonely Planetはインドネシアで最も美しい場所、五つのうちの一つと紹介している。ということで場所はすばらしいのだが、そこにいくまでのアプローチが困難なため、一般的な観光地にはなっていない。場所はすばらしい、アプローチは困難、観光客は少ない。おおっ、これは我が家にはぴったりではないか。でその結果は、素晴らしいの一言。インドネシアで一番楽しかった場所かもしれない(ほかの家族の感想はわかりせん)。詳しい旅行記は妻のブログを見ていただくとして、ここでは僕の印象に残ったことを書きましょう。

1.宿
 Togean諸島にはいくつかリゾートがあるが、有名なのはKadidiri島のBlack Marlin CottagesかKadidiri Paradise Resortのようだ。どこのリゾートも集落から離れているので、食事など生活はすべて宿ですることになる。宿選びは重要なのだ。Webサイト経由で問い合わせをしたら、Black Marlinの方がレスポンスが早かったし、例のTrip Advisorの評判もこちらの方が良さそうなので、ここに決めた。
 しかし、AmpanaからTogeanに渡るフェリーの船室で席を探そうとうろうろしていたら、いきなり若い女性から営業をかけられた。どうもKadidiri Paradiseのスタッフらしい。
「どちらに宿泊の予定ですか。もし決まっていないなら、Kadidiri Paradiseは部屋が空いているのでぜひお越し下さい」こんな田舎に予約なしで来る客なんている訳ないだろうと思いながら、
「Black Marlinの予約を取っているからいいです」と返事をした。そうしたら
「日本に住んでいたことのあるアメリカ人の友人と一緒に宿に向かっている途中で、彼は日本語もできるし、会って話をしてみませんか?」と誘ってくる。彼女は中華系なのだが、積極的に勧誘してくる。
「まあ、後で時間があれば」とその場は切り抜けて、席でくつろいでいると、すぐにそのアメリカ人がやってきた。どうも日本には20年くらい前に住んでいたことがあるみたいだが、しかし日本語は片言しか駄目みたいだ。名前はPedro。今は中国に住んでいるらしい。すでにBlack Marlinに予約を取っているんだと説明すると、とても残念そうな顔をする。
「おー、それは子供たちにとっての最悪の選択です。あそこは部屋は、狭いし、コンクリート製で、後ろはすぐ山で風通しが悪くてとても暑いです。ビーチも狭くて、ボートもたくさん停泊していてて、油で汚れているし、おまけに食事が最悪です。Kadidiri Paradiseはコテージは木製で、独立している、平地で風通しがよく、ビーチも広い、料理の美味しくて、スタッフも親切。すべての面で上です。絶対変えた方がよいです。デポジットとか入れてますか?えっ、何も払っていない。それはラッキーです。すぐに移りましょう。」
と中華系に負けずに強引に勧誘してくる。でも逆にちょっと不信になってきた。なんでこんなに熱心なんだ?
「オーナーもちょうどこのフェリーに乗り合わせています。直接話してみますか? とっても親切でいい人ですよ」
とさらに畳み掛けてくる。しかし僕もちょっと興味がわいてきたのでオーナーに会ってみることにした。オーナーは特等の個室にいた。会って話をしてみると、中華系特有の強引さがない。「みんなうちの方が良いとあなたに勧めているようですが、私の口からは何ともいえません。あなたの目でどちらが良いか実際に目で見て決めてください」と至極真っ当な意見だ。結局、いったんBlack Marlinにチェックインして、問題があれば移動を検討することになった。

 フェリーはTogeanの中心地Wakaiに着いた。Ampanaから4時間半かかった。ここから宿のボートでKadidiriに移動する。僕らはBlack Marlinのスピードボートに乗った。大型船外機が2個装備されており、すごいスピードで飛ばしていく。お客も10人くらい乗っていて賑やかだ。それに引き換えKadidiri Paradiseは小型のポンポン船だ。おまけにお客もほとんど乗っていない。なんだこっちの方がいいじゃないか。危うく騙されるところだった。と内心ほっとした。

 しかしKadidiri島に到着して、部屋に案内されてみると、西日が当たって風通しも悪くて暑い部屋、狭いのでエキストラベッドを入れると窮屈。おまけに長屋形式で部屋が隣と引っ付いている。どの部屋も似たような感じだ。うーむどうしよう。うちらの部屋はたまたま一番端だったので、塀のすぐ隣はKadidiri Paradise、塀の真ん中に通路があり、覗いてみたら簡単にお隣さんに出た。ちょっと見学してみるかと、歩き出したら、なんとすぐ向こうからPedroがこっちに向かってきているではないか。向こうもすぐに気がついて早速捕まってしまった。彼に連れられて、リゾートの中をいろいろ案内されてみるとこちらの方が広々しており、部屋も木製で独立しており、風通しも良くて快適である。ビーチも広くて、ボートもいない。なんだ全部話の通りじゃないか。すっかり気に入ってしまった。問題はBlack Marlinのキャンセルである。さっそく戻って交渉してみた。
「部屋が狭くて、暑い、うちは子供がいるのでこれではつらい。隣に移りたいのでキャンセルしたいけど、キャンセルフィーは必要ですか」と聞いたところ。スタッフは「行きのボート代だけ払ってもらえれば大丈夫です。キャンセルフィーはいりません。何なら荷物を運ぶお手伝いをしましょうか」と驚くような親切ぶり。さっそく手伝ってもらいながら引っ越しをした。移り終わった後、多少のお礼をしようとチップをあげようとすると、いいですよと拒む。いくら渡そうとしても受け取ろうとしない。結局、受け取らないまま戻っていった。なんと親切なスタッフなんだろう。きっとBlack Marlinもサービスはいい宿に違いない。とちょっと後悔しながらも移ってしまった。
(つづく)

AmpanaからTogeanに渡るフェリー
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明らかに定員オーバーと思われる。そういえばよくニュースにこれが原因で沈没した例が出ている
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甲板の様子。欧米系のバックパッカー風旅行者が多い
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Kadidiri Paradise のボート
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こちらはBlack Marlinのボート
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速さに感動
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プロフィール

pahoehoe

Author:pahoehoe
ブログのタイトルpahoehoeとはハワイ語で滑らかな溶岩を指す。溶岩洞窟の調査で訪れたハワイ島で水飴のように流れる溶岩を見て衝撃を受けた。また、パホエホエという語呂が好きなのでハンドル名によく使用している。
本名:山西敏光
居住地:島根県松江市
出身地:広島県広島市
特技:ドジョウすくい
モットー:死ぬ気で遊べ!
家族:妻、子(二人)

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